松菱くんのご執心
「彼氏の前で堂々と浮気か?」
ホットケーキを焼く担当は松菱くんだ。
ヘラを持ってスタンバっている。犬猿の仲の松菱くんの手作りホットケーキを食べるとは爽も思ってもないだろう。
「隠れて浮気されるのも許せないけどな」
出来たホットケーキをお皿に乗せ、いちごのソースと生クリームをかけている。
「そんなんじゃないよ。幼なじみだから。邪険には出来ないでしょ?」
「向こうはそうは思ってないみたいだが」
そうは思っていない、とは幼なじみとは思っていないということか?
だとすれば、ただただ悲しいではないか。