松菱くんのご執心


「彼氏の前で堂々と浮気か?」


ホットケーキを焼く担当は松菱くんだ。



ヘラを持ってスタンバっている。犬猿の仲の松菱くんの手作りホットケーキを食べるとは爽も思ってもないだろう。



「隠れて浮気されるのも許せないけどな」


 出来たホットケーキをお皿に乗せ、いちごのソースと生クリームをかけている。


「そんなんじゃないよ。幼なじみだから。邪険には出来ないでしょ?」


「向こうはそうは思ってないみたいだが」


 そうは思っていない、とは幼なじみとは思っていないということか?



だとすれば、ただただ悲しいではないか。





< 91 / 148 >

この作品をシェア

pagetop