松菱くんのご執心
「なんだ、秀一の友達か。早く言えよなあ」
三木さんが二人を交互に指さす。
「『友達じゃない』」
と犬猿の仲の結束力なのか声を揃えた。
ここからは三木さんの表情は見えなかったけれど、
「それだけ息ぴったりで、友達じゃないのかよ、お前らおもしれえな」
と派手な笑い声が聞こえた。
そこで、「ああっ」と思った。
呑気に観察している場合ではなかった。セットのコーヒーを持っていってないじゃないか。
急いで、準備する。
ドリップ済みのコーヒーをカップに注ぐのだが、カップがきれていたため、隣の準備室から新しいカップを持ってくる。
そして、改めて慎重にカップに注ぎ、席へと持っていった。
「ごめんなさい、コーヒー遅くなりました」
「ああ、ありがとう」
そう言ってカップを受け取った爽はどこか元気がないようにも見えた。
どうかした?
と声をかけようと口を開いたが、
一際大きな声で「ああっ!」と三木さんが言い、かき消された。
「みかさちゃんじゃないか!」
いやあ久しぶり、久しぶり、と旧友にでも会ったかのような歓迎を受けた。
三木さんが二人を交互に指さす。
「『友達じゃない』」
と犬猿の仲の結束力なのか声を揃えた。
ここからは三木さんの表情は見えなかったけれど、
「それだけ息ぴったりで、友達じゃないのかよ、お前らおもしれえな」
と派手な笑い声が聞こえた。
そこで、「ああっ」と思った。
呑気に観察している場合ではなかった。セットのコーヒーを持っていってないじゃないか。
急いで、準備する。
ドリップ済みのコーヒーをカップに注ぐのだが、カップがきれていたため、隣の準備室から新しいカップを持ってくる。
そして、改めて慎重にカップに注ぎ、席へと持っていった。
「ごめんなさい、コーヒー遅くなりました」
「ああ、ありがとう」
そう言ってカップを受け取った爽はどこか元気がないようにも見えた。
どうかした?
と声をかけようと口を開いたが、
一際大きな声で「ああっ!」と三木さんが言い、かき消された。
「みかさちゃんじゃないか!」
いやあ久しぶり、久しぶり、と旧友にでも会ったかのような歓迎を受けた。