賭けをするには狭すぎる
「いいから教えなさいよ」


渋谷美里は俺の連絡先を何に使おうとしてるのか怪しすぎるけど


もう絶対引かないって顔してるから
俺も早々に降参した

「今バイト中だから休憩なったらね」


休憩つっても朝の5時だけどな
ほぼ上がりの時間だけど

それまで待てんのかこいつ


「…わかった」


待つ。
とだけ呟いたっきり
コンビニのドアから出たった。




…え、待つの?
そんな俺の連絡先欲しいの?

今外雨降ってるしそこそこ寒いし
そんな女子一人であと2時間も外置いとくとか…







「はあ〜〜〜〜」
めんどくせぇな、



と言いつつ内心は少し浮き足立ってた


俺は渋谷美里についてまだ知ってる事がある

あいつはそこそこ可愛くて
結構そこら辺の男子にも優しいとかで

よく勘違いさせて告られてる

そう、
わりとモテてる女子。






だから、ってわけじゃねぇけど
まぁ俺も大概ミーハーだわ。



渋谷美里と話してみたいなんて
頭の1/56くらいでは思ってた


毎週コンビニ来るのも
まぁきっとなんかの偶然だろうし、
まさかあいつのさきいかルーティンに俺は入ってねぇだろうけど

いや入ってる可能性も少しはあんのか?
知らん、考えるのやめた。





だからそんなこんなで
俺は少しだけ


渋谷美里がどんな奴なのか気になっては、いた。



まぁ話しかける程ではないかな、みたいな。
それくらい。



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