賭けをするには狭すぎる
残念。
こいつの方が一枚上手だった。





俺はまんまと波に乗らされた状態で
いきなりサーフボードを振り落とされた状態


つまり溺れてる。
だって今の俺ダサすぎんだろ。







好きかどうか聞かれたら
確実に好きではない女子に

なんかちょっとそれっぽい空気だけ作られて
なんか匂わせられたから
調子乗ってその先聞こうとしたら、

はーい今日はここまでー
って急にシャッター下される俺、とか。




「店長さんはいつ来る?」



「朝」


なかなかにツンだな。
さっきのツンは認めてやるよ。
ツンだけな。



「そっかぁ、朝ね」

え、何その決心したみたいな語尾

まさかだけど
まさかじゃないけど

お前、「朝まで待つ気?」




「え、ダメ?」





いやいやいやいや


お前強引オリンピックあったら即金メダリストで社会の教科書載るぞ


「い、」










「ん?」







「いいけど別に」


俺には関係ねぇし、

あー語尾が俺ってダサい感満載。ダサい。






「ほんと!よかった」

すげぇ嬉しい顔すんじゃん、





あ、こいつ
俺と長くいるためにおつり出すつってたな

てことはこれもあれか?
俺と…






長くいたいから?








…………………俺思い上がりすぎじゃね

一回冷静になろ俺。



なんだっけ、あーそうだ明日の夜はバイト無くなったから久しぶりに家でちゃんと飯食えるっけ…いやそんな事さっき考えてねぇだろ。
てかそれわりとどうでもいい。















変な事考えてたら何か話し出すタイミング失って暫しの沈黙





…カチカチカチ
静寂に時計の音だけ耳にこびりついてくる





沈黙が、長い。長すぎる。
いつもはこの時間帯に来るはずの運送屋の兄ちゃんも今日に限って来ないし。




なんなの、何で俺のホームで俺がこんな気まずい思いしてんの?













だから渋々俺は口を開く



「渋谷って彼氏いないの」




いや、気まずい沈黙を破るにしても
この話題はミスすぎた。

1分前からやり直したい。



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