賭けをするには狭すぎる
「気になる?」


気になるかならないかで言われたら
ならない。



でもまぁ、1クラスメイトとして
その情報ってのを知っとく必要はあるかな

みたいな。
そんな程度だから。それだけだから。





「ねぇ、気になる?」



何なんこいつ
食いつきが激しいんだけど



「あー、まぁ?」

何だよそれ。
こいつがこいつなら俺も俺だな




「彼氏はいないけど、

好きな人ならいるよ」





ほぉ〜


好きな人、ね。
てかすっごい見つめられてる気するけど
好きな人いるよのとこ
すげえ鋭い眼差し感じたけど。


いや気のせいだろうな。
俺って草食動物だから視野広いし。


色んなものが一気に見えるから
間違えて見えちゃう事もあるんだよ。

知らんけど。




「広瀬くんは?」



「は?俺?」

いや思えば当然の流れだけど
こうなるって何故か予期してなくて

俺はなんの答えも待ち合わせてなかった



「いないけど」




「それはどっちの話?彼女?それとも」




「どっちもだけど」

何故かずっと食い気味に聞いてくる渋谷を阻止するように
食い気味に答えてやった



恋バナになった途端
すっげえ起きんじゃん

夜行性じゃねぇよ
今5時だし。5時は朝だしな。





「そっか、そうなんだぁ」

なんとも言えない表情で暫く床を見つめた後
また渋谷がくるっとこちらを見てきた



「じゃあ賭けしない?私と」


「は?」


「私に彼氏が出来たら私の勝ちで、
広瀬くんに好きな人ができなかったら私の負け、広瀬くんの勝ち。」







待てそれ俺どっちも負けてね?人生的に

「俺に何の利益も見出せないんだけど」



「大丈夫」




めちゃくちゃ自信満々に答えるもんだから
俺の人生どうなるか

もうお前は知ってんのかってなったけど










「だって













私が彼氏出来たとしたら、






 






それは広瀬くんだから」









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