僕が愛しているのは義弟



 オレは、ひよりちゃんに明るく振舞った。

 でも、その振舞いが少しぎこちなくなってしまって、オレは、その様子がバレないように必死だった。

 そんな必死なオレの隣に葵がきて耳元で、


「隼翔兄、ジュースとか何もいらないから。オレと橘はコンビニでジュースとか買ってきたから大丈夫」


 葵はオレが気を遣わないように、そうしてくれていた。


「わかった。でも、そんなに気を遣わなくてよかったのに」


「別に気を遣ったわけじゃないよ。じゃあ、オレと橘はオレの部屋に行くから」


 オレはそのとき、なぜか少しドキドキしていた。

 たぶん葵が耳元で話しかけてきたときくらいからだ。

 なぜかわからないけど、きっと葵がいきなり耳元で話しかけてきたから、びっくりしたんだと思う。





 そして今、葵とひよりちゃんは葵の部屋にいる。


 葵は、ひよりちゃんと何をしているんだろう。そして何を話しているんだろう……。

 ……って、あれ?

 ……もしかして……オレ……気になってる……?

 ……まさか、そんなはず…………。


 オレはなぜか落ち着かなくリビングで行ったり来たりして、うろうろしていた。


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