僕が愛しているのは義弟
オレは太一の言葉にどう返していいのかわからなかった。
「だからお前は、ただの友達なのに異性を家に入れるということはどうなのかということでモヤモヤしてるんだろ?」
「……いや、どうなのか……」
返事に困るオレ。
「でも、そのことがあったあたりからなんだろ? お前がモヤモヤしだしたのは」
さらに訊いてくる、太一。
「……う~ん、そのあたりだったような……」
はっきりと返事ができない、オレ。
オレは太一になんて言おうか迷っていた。すると……。
「……隼翔。お前、それは、恋だな」
……‼ は、はぁ⁉ 恋⁉
「……お……お前、何を言い出すんだ⁉」
オレは、太一の突然のとんでもない発言に少しパニックになっていた。
「いや、それは紛れもなく恋だ」
太一の決めつけは止まらない。
「誰だよ? オレの知ってる子か? ……って、も、もしかして、梓か⁉」
太一の質問攻めは、どんどんスピードを上げる。
「そうじゃない」
「あっ、それなら倉田か。あのときやっぱりお前たち何かあったんだろ」
太一の質問攻めは、もはやスピードオーバー。