僕が愛しているのは義弟



「サンキュー、隼翔。愛してるぜ」


 いつもの太一のテンションに戻った。


「何を言っているんだ。気持ち悪いな」





 その日の夜、オレは梓に連絡した。

 梓は、二人ほど友達を連れていっていいかと訊いた。

 オレは太一に梓が言っていたことを伝えた。

 太一は『もちろん』と言った。

 それを梓に伝えた。

 その後、梓が二人の友達に連絡をして、二人の予定を確認した。

 そして梓から連絡があり、梓の二人の友達の予定も大丈夫だということだった。

 こうして祭りに行くことが決まった。

 そして日にちも待ち合わせ時間も決まった。



 祭りに行く日時も決まり、今、オレはリビングにいる。


「はぁ……」


 オレは思わずため息をついてしまった。隣に葵がいるのに。


「どうしたの? 隼翔兄」


 葵がオレの顔を覗き込むように見た。


「……ごめん、ため息なんかついて」


 今日の太一とのあの会話のやりとりのことを思い出したら……なんか少し疲れが出てきてしまった……のかもしれない。


「いいよ、そんなこと。ただ、何か悩みでもあるのかなと思って」


 葵は相変わらず優しい。オレは葵のその優しさが嬉しいと思った。


「いや、悩みとかそういうのではないんだ」


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