僕が愛しているのは義弟
葉についた雫が雲の間から差し込む太陽の光に反射して、まるでキラキラ輝く宝石が散りばめられたように美しく光を放っていた。
オレは、その美しい光景に見入っていた。
オレたちは店をまわりながらしばらく歩いていた。
すると向こうから葵たちが歩いてくるのが見えた。
「おっ、葵‼」
太一が葵に声をかけた。
「太一くん、久しぶり」
葵も笑顔でそう言った。
「葵、さっき見たぞ。お前、あんなかわいい子と相合傘してどういう関係なんだよ」
太一はニヤニヤしながら葵に訊いた。
「どういうって、別に普通の友達だけど」
葵は全く照れることなくそう言った。
「本当かぁ~。そんな隠すことはないだろ」
太一は、葵とひよりちゃんが付き合っているのではと思いたいのか、葵にそんなことをしつこく言っていた。
「本当に違うよ、オレと橘は」
葵は淡々とそう言った。
「な~んだ、つまんないの~」
太一は、とてもつまらなさそうに言った。
「なんでつまんないになるの」
葵は笑ってそう言った。
そして葵はオレの方を見た。
「隼翔兄、やっぱり会えたね」
葵は無邪気な笑顔でそう言った。
「ああ、そうだな」