僕が愛しているのは義弟



 そういえば、朝から葵と二人だけのときってあったっけ……?


 ………………二人…………二人きり…………葵と………………。


 …………‼


 オレはとっくに気付かなければならないことだったのに、たった今そのことに気付いた。


 ……え……葵と二人……きり……。


 オレは急にどうしていいかわからなくなり戸惑いはじめた。


 あんな夢を見た日に限って葵と二人きりだなんて……。


 オレは葵の方を見た。

 葵は相変わらず淡々と料理を作っている。

 オレが固まって葵の方を見ていたから葵がオレの視線に気付いた。


「どうしたの、隼翔兄」


 葵は相変わらずの笑顔でオレに言った。


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