僕が愛しているのは義弟



「……あ、いや…………お前、料理作るの上手いなと思って……」


 オレは慌ててそう言った。


「そう?」


「お前、いつの間にそんなに料理を作ることができるようになったんだ?」


「……う~ん……いつの間にって……家庭科の授業でやってる程度だけど……」


「そうなのか。じゃあ、お前、すごいよ。家庭科の授業でやってる程度でそんなにも上手く作ることができるなんて」


「そうかな」


「そうだよ。お前、料理の才能あるんじゃないか」


「隼翔兄、褒めすぎだよ」


 葵は照れくさそうにそう言った。


「出来た。隼翔兄、食べよ」


「ああ」


 オレと葵は出来上がった料理をテーブルに並べた。


「じゃあ、いただきます」


「いただきます」


 葵と二人きりの朝食。


「葵、上手いよ」


「本当? 隼翔兄にそう言ってもらえて嬉しいよ」


 葵は満面の笑みでそう言った。



 朝食を済ませてオレと葵は後片付けをしていた。


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