僕が愛しているのは義弟
……苦しい…………なぜ……なぜ、こんなにも苦しいんだ…………。
……なぜ、こんなにも苦しいのか……。
……本当は……もう……わかっているんだろ……。
こんなにも苦しいのは……すべては…………。
……違う……何を考えているんだ……違う……違う……違う…………。
「隼翔兄」
「……‼」
……葵……。
いつの間に……。
オレは、葵が通話を終えてオレの部屋に戻ってきていたことに気が付かなかった。
「……葵……もう、ひよりちゃんとの話は終わったのか」
オレは動揺しているのを必死に隠して葵にバレないようにそう言った。
「うん、終わったよ。隼翔兄、よくわかったね。オレが橘と話していたこと」
葵は笑顔でそう言った。
いつもなら普通に見ているその笑顔が、今のオレには耐えられるものではなかった。
「……あ、ああ、なんか微かに『橘』って聞こえてきたような気がして」
オレは葵の顔をまともに見ることができなかった。
「そうなんだ」