僕が愛しているのは義弟



 オレは…………不安なんだ…………。

 葵が、ひよりちゃんのことをどう思っているのか……。

 ……なぜ……?

 ……なぜ……不安なんだ……?

 なぜ…………。


「どう……って。さっきも言ったようにオレと橘は友達なんだってば」


 葵とひよりちゃんが友達というのはわかっている。


「そうか? オレにはそういうふうには見えないけどな」


 ……でも……今の時点では友達だとしても、これからのことはわからない。

 ……それに……葵がひよりちゃんのことをどう思っているのかは、やっぱり別の話だ。

 表向きは、ひよりちゃんと友達でも心の中では、ひよりちゃんのことを想っているのかもしれない…………。


「隼翔兄にはどう見えているのか知らないけど、オレは橘のこと友達としか思ってないから」


 葵の本当の気持ちが……知りたい……。

 ……でも……恐い……。

 葵の本当の気持ちを知るのが……恐い…………。


「またまたぁ~、もっと正直になったらどうだ、葵」


 もし、葵がひよりちゃんのことを好きで、正直にひよりちゃんのことを好きだと言ってしまったら……オレ…………。


「お前は、ひよりちゃんのことが好きなんだよな」


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