僕が愛しているのは義弟
いっそのこと、オレの方から決めつけてしまえば……楽になる……?
「何を言っているの、隼翔兄」
「『何を』って、照れることないじゃないか」
決めつけてしまえば、少しは苦しまずに傷つかないですむのかな……?
「今日の隼翔兄どうかしてるよ」
……そうだな……どうかしている、オレ。
「何でだよ。お前、ひよりちゃんとあんなに仲が良いじゃないか」
……苦しい……まだ、苦しい…………。
「別に、橘とはただの友達だよ。隼翔兄だって梓ちゃんと二人でどこかに行ってるじゃない。それと同じだよ」
「まだ照れてるのか。かわいいな、お前」
こんなに決めつけているのに……なんで……なんで……こんなにも苦しいんだ…………。
「隼翔兄、何でそんなことを言うの」
こんなにも苦しいのは、きっと決めつけが足りないんだ。なら……。
「お前、付き合ってないって言ったけど、実はもうとっくに、ひよりちゃんと付き合ってるんじゃないか」
もっと、もっと、決めつけてしまえば…………。
「いい加減にしてよ‼ 隼翔兄‼ ……何で……何で、そんなことを言うの?」
「…………」
……本当だ……。
オレ、何でこんなことを…………。