僕が愛しているのは義弟
「……オレが好きなのは、隼翔兄だよ」
「……‼」
……葵……?
「……もちろん、今言った『好き』は、兄としてじゃない」
……え? 葵もオレのことが……本当に……?
「……やっと言えた……自分の本当の気持ちを。それを言ったら、これまでのオレと隼翔兄の関係が壊れてしまうかもしれない、そう思うと言うことができなかった」
葵……。
「でも、もう自分の気持ちを抑えるのはやめにする。これからは自分の気持ちに正直に生きていきたい」
葵……。
「だからといって、隼翔兄にどうしてほしいわけでもない。これからも今までと同じように接してくれればそれでいい」
え……?
「だからこれからもよろしく、隼翔兄。じゃあ、オレ、そろそろ自分の部屋に戻るね」
葵はそう言ってオレの部屋を出ようとした。