僕が愛しているのは義弟
そして、またゆっくりと時を刻みだした……。
「……本当? 隼翔兄」
葵はオレのことをまっすぐ見つめていた。
オレは、より恥ずかしさが増して、さらに下を向いた。
「……ああ」
いつもなら普通に見ているはずの葵の顔が、なんか急に恥ずかしくなってまともに見ることができない。
「隼翔兄」
「…………」
葵は純粋な眼差しでオレを見た。
オレは葵に見つめられドキドキしてきた。
「隼翔兄」
「……ああ」
オレはドキドキが止まらなくなっていた。
「隼翔兄もオレのことを好きでいてくれてたなんてすごく嬉しいよ」
葵に改めてオレの気持ちを言われると、ものすごく恥ずかしくなる。
「…………」
「なに照れてるの、隼翔兄」
「うるさい‼」
「……でも、これからどうする? オレたちのこと。父さんや義母さんや楓姉ちゃんには何て言う?」
そうだ、そのことをすっかり忘れていた。
母さんや姉ちゃんや義父さんにはオレたちのことをなんて言えばいいのか……。
「…………」
「……ねぇ?」
「…………」
「隼翔兄ってば‼」