僕が愛しているのは義弟
「そんなことはない。……オレ、嬉しいよ。お前がそういうふうに思ってくれて。……オレも……お前と同じだから。オレもお前の頭の中がオレでいっぱいになってほしいって思ってるから」
そうだ。オレも葵と同じ気持ちなのに……。
それなのに葵の気持ちに気付いてやれなかった……。
「……隼翔……」
「……好きだ……葵……」
「……隼翔……。オレも……オレも隼翔のことが好き。最初に告白したときよりも、もっともっと好き」
「……葵……」
オレは葵をもっと強く抱きしめた。
「……‼ ……着信……」
オレのスマホが鳴っている。
オレはやさしく葵から離れてスマホを見た。
母さんからだ。
母さんの要件は、少し帰りが晩くなるから夕飯の材料を買ってきてほしい。ということだった。
買ってきてほしい材料はメールで送るからよろしくということだ。
オレは母さんとの通話の内容を葵に伝えて一緒に買い物に行こうと言った。
そして昼食を済ませた後、葵と一緒に買い物に行った。
オレと葵は近所のスーパーに来た。
オレと葵が店の中をまわっていると、
「隼翔‼」
オレの名前を呼ぶ声がした。
オレは声が聞こえた方向を見た。