僕が愛しているのは義弟



 オレに髪をクシャクシャっとされた葵は笑いのツボに入ったかのように大笑いをした。

 そして葵は大笑いしながら突然走り出した。

 オレはすぐに葵を追いかけた。

 そうしながらオレと葵は家に帰った。







 夕食を済ませ、葵はオレの部屋にいた。


 葵がオレの部屋にいる今、他の部屋には母さんも義父さんも姉ちゃんもいる。

 今までなら葵がオレの部屋にいてもどうってことはなかった。

 だけど今は違う。

 葵がオレの部屋にいるということは母さんたちに内緒にしておかなければいけないような、そんな気持ちになってしまう。

 本当なら葵がオレの部屋にいても特別なことではない普通のことなのだけど……なんか彼女を内緒で部屋に入れているような、そんな気持ちになってしまう。

 母さんたちには彼女のことは見つかってはいけないようなスリル感があり、とてもドキドキする。


 そんな中、オレと葵は静かに寄り添っている。


 今のこのドキドキはスリル感というのもあるのだけど、葵がオレに寄り添っているから、そのドキドキも混じっていると思う。

 オレはこのドキドキが幸せに感じる。

 葵のことを好きなこの気持ちがとても幸せだ。


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