僕が愛しているのは義弟



 今回も、きっと前のときのようにカップルが多いのだろう。

 あの店は今も何も変わらない。

 変わったのはオレと葵の関係。

 オレと葵が……恋……人……同士になったということ。

 だからオレの、この店に入るときの気持ちも違う。



 そして店に着き、オレと葵は中に入った。

 周りは相変わらずカップルが多かった。

 オレと葵もその中の一組になる。

 周りはオレと葵のことをどう思っているのかは知らないけど、オレと葵の中ではしっかりカップルだ。

 ……ただ、この店が時々やっているカップルで来店すると割引してもらえるというサービス、今日もやっているみたいだけど、オレと葵はその対象にはならなかった……。



 昼食を済ませ店を出た、オレと葵。


 どこに行くかも決まらずにオレと葵はゆっくりと歩いていた。


 その間、オレは考え事をしていた。

 今ごはんを食べた店でオレは現実を突きつけられた気がした。

 いくらオレと葵が自分たちのことを恋人同士だと思っていても世間ではやはりそうは見えないということ。

 それは少しショックだった。


< 186 / 354 >

この作品をシェア

pagetop