僕が愛しているのは義弟



 オレは遼祐にそう返答した。

 オレは高校卒業後の進路は大学に進学しようとだいぶ前から決めていた。


「そうか、隼翔も大学に進学希望か」


「『も』ってことは、遼祐も?」


「ああ、オレも大学に進学しようかなと思ってる」


「そうか、遼祐も大学に……」


 進路…………。


 進路……といえば……葵。

 あいつは中学三年、もうこの時期だから、とっくにどこの高校に進学したいとか、もう決めているんだろうな。

 ……って……うん?

 ……というか、今、遼祐と進路のことを話していたから気付いたけど……うっかりしていた。

 そういえばオレと一緒にいるとき葵がどこの高校に進学したいとか、そういう話はしたことないな……。

 なぜ葵はオレにどこの高校に進学したいとか、そういう話をしないんだろう。



 ファーストフード店を出たオレと遼祐。



 遼祐と別れたオレは家に帰るところ。





 そして家に着いた。



 オレは自分の部屋に入り、着替えてすぐ葵の部屋に入った。


「おかえり、隼翔」


 葵は真っ先にオレに抱きついた。


「ただいま」


 オレも葵のことを抱きしめた。


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