僕が愛しているのは義弟
オレは、そんな気持ちでいっぱいになった。
そして、そんなオレを葵は笑顔で見つめた。
「袋の口を結んであるリボン、すごくきれいになってるな。お前は本当に器用だな」
「そうかな」
「そうだよ。あと、この袋の柄もかわいいな。お前はセンスがあるな」
「ありがとう。隼翔にそう言ってもらえて嬉しいよ」
葵は、いつものようにいつもの笑顔。
「開けてもいい?」
オレは、わくわくしていた。
「うん、もちろんだよ」
笑顔の葵。
オレは、きれいに結んであるリボンを丁寧にほどいて袋を開けた。
「クッキーだ」
オレの気分は躍った。
「オレも今日はバレンタインデーだからチョコにしようか迷ったんだけど、結局、ス
ーパーで売っていたクッキーを三種類買って、それを袋に詰め込んだんだ」
「それで充分だよ。オレ、クッキー大好きだから」
「それならよかった」
「本当にありがとう、葵」
オレはそう言って葵を抱きしめた。
オレと葵が恋人同士になって初めてのバレンタインデー。
オレは葵と、これからもいろいろな思い出をつくっていきたい。
そう思いながらオレは葵を抱きしめ続けた。