僕が愛しているのは義弟
「……オレは一生乗らないけどな絶叫マシンは」
「そうなの?」
葵は笑顔でそう言った。
「ああ、一生乗らない」
オレは頑なにそう言った。
「あはは」
葵は笑顔が絶えなかった。
そうして話しているうちに、いつの間にか家に着いた。
家に入ってすぐにオレは葵と一緒に葵の部屋に入った。
葵の部屋に入ってオレと葵は、しばらく話をしていた。
しばらく話をしていると……。
葵……?
葵は少し元気がないように見えた。
「葵、どうした?」
オレは葵にそう訊いてみた。
「え……」
「何か悩みでもあるのか」
オレはさらに訊いてみた。
「えっと……」
葵は話しづらそうにしていた。
「もし悩みがあるのなら話してほしい。それで解決するとかではないのかもしれないけど話すことで少しでも気持ちが楽になるかもしれない」
「隼翔……」
「葵が辛い思いをしているとオレも辛い。葵が幸せならオレも幸せ。だから、せめて話だけでも聞かせてほしい。オレは話を聞くことしかできないかもしれないけど少しでも葵と一緒に悩んだり悲しんだり苦しんだり、オレができそうなことはできる限りしたいと思っている」