僕が愛しているのは義弟
「遼祐……オレ……ごめん……」
オレは遼祐に謝ることしかできなかった。
「謝らないでよ、隼翔。隼翔は何も悪いことはしていない」
「でも……」
「隼翔」
遼祐は真っ直ぐオレの方を見た。
真っ直ぐにオレの方を見た遼祐がオレに見せた表情。
遼祐のその表情を見てオレは……。
「……遼祐…………ありがとう」
本当にありがとう、遼祐。
オレは遼祐に何度も何度も心の中で感謝をした。
「じゃあ、隼翔、葵くん、また学校でな」
遼祐は爽やかに微笑んで歩いていった。
それから何日か経った。
オレと葵のことは全く騒ぎになっていない。
オレと葵は遼祐に心から感謝をした。