僕が愛しているのは義弟
カフェに着き、店の中に入る。
ここのカフェもカップルが多い。
なんか場違いじゃないか?
「あの……
お二人は付き合っているのですか?」
注文したものも揃い、食べたり飲んだりしている。
そんなとき。
ひよりちゃんの驚きの言葉。
ひよりちゃん、意外と積極的なんだな。
「違うよ。
隼翔に弟の誕生日プレゼントを買いに行くのを付き合ってもらっただけ」
「そうなんですか。
お二人がとても素敵でお似合いに見えたので
つい質問をしてしまいました」
お似合い? 俺と梓が?
ひよりちゃんにはそう見えるのか。
わからないものだな、人の見え方って。
「お似合いだなんて。
ねぇ、隼翔」
「え?」
「『え?』じゃないでしょ。
なんでそんなに素っ気ないの」
「いや、別に」
「『別に』ってねー、
少しは照れるとかないの?」
「無い」
「何よ、それ」
俺と梓のやりとりに、ひよりちゃんは微笑んでいた。
葵は無口だった。
葵、何を考えているんだ?
って。
なんで気にしているんだ?
なぜ気にする?
なぜ気になる?
理由はわからない。
だけど。
知りたかった、なぜか。
お前が何を考えているのかを。