僕が愛しているのは義弟
「まぁ、梓は梓でいろいろあるんだろ。それに梓が必ずオレと太一のことを誘わなければいけないという決まりはないんだから」
「それはそうだけど……」
太一は、まだ納得していない様子だった。
「それに梓と遼祐は同じクラスなんだから、その中でする約束だってあるだろ」
「……でも、あの合流した女子たちは、確か梓や遼祐と同じクラスじゃないよな」
「まぁ、それはそれでいろいろとあるんじゃないか」
「……う~ん……」
太一が納得するまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。
……というか、ずっと納得しない確率の方が高いかもしれないな……。
これはオレの想像だけど、合流した二人の女子たちは梓に頼んだ、遼祐に会わせてほしいと。
それで梓は遼祐を合流した二人の女子たちに紹介するために、今回こうして梓と遼祐と合流した二人の女子たちの四人で会う機会をつくったのではないかと。
でも、これはあくまでもオレの想像だから、それを太一に話すのは少し抵抗がある。
「まぁ、とにかくよかったじゃないか。梓と遼祐は付き合ってないし、デートでもなかったんだから」
「……まぁ……そうなんだけど……」
「元気だせ、なっ、太一」