僕が愛しているのは義弟
オレは太一を励ました。
「……隼翔」
「うん?」
「カラオケ行くぞ」
元気がないと思いきや、太一は突然そんなことを言い出した。
「……あ……ああ……いいけど……」
オレは太一の切り替わりに少し戸惑った。
「これは歌わなやってられないぜ」
太一は妙にノリノリだった。
「……そうなのか……」
オレはこの時点で太一のノリについていける気がしなかった。
「もう、これは超ウルトラスーパースペシャルロックな歌を歌う気分だぜ」
「……」
オレは太一の奇妙なテンションに何も反応できなかった。
「隼翔、何ぼーっとしてるんだよ。早く行くぞ、カラオケボックスに」
「あ……ああ」
オレは太一の言われるままに、ただ着いていくだけだった。
そしてカラオケボックスの中でも、そのテンションは続いた。
「隼翔、お前ももっと歌え」と、太一は言ったけど、太一のあまりのテンションにオレはついていくことができずに、ほとんど座っているだけだった。
そしてカラオケボックスを出た後、太一は「スイーツを食べに行こうぜ」と言ってカフェに行くことになった。