僕が愛しているのは義弟



 そしてカフェに着いたのだけど……ここのカフェは女子たちがほとんどだ。

 男子がいても、それはカップルで来ている場合。

 男子二人で来ているのはオレと太一の一組だけ。

 ……なんか……オレたち……浮いてないか……。


「隼翔、どうした? なんか挙動不審になってないか」


「……そりゃあ、挙動不審にもなるだろ。見ろよ、周り。ほとんどが女子たちで、あとはカップル。お前は平気なのか、この中にいて」


「そんなこと気にしてたらカフェでスイーツなんか食えないぞ。そして今日はケーキバイキングの日だ。さあ、お前もどんどん食え、隼翔」


「どんどん食えって……」


 今日の太一は、やっぱり奇妙なテンションだ。

 いや、正確に言うと、梓と遼祐のことを見かけてからこのテンションになったんだ。

 でも結局、他の女子二人も合流した。

 だから梓と遼祐は付き合っているわけでもデートをしていたわけでもなかった。

 だから太一にとっては何も気にすることはないのに……。


「おっ、美味い。美味いぞ、このケーキ」


 ……太一……。

 なんかやけ食いしてないか……。





「隼翔‼ 太一‼」


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