僕が愛しているのは義弟
「よし‼ じゃあ、そうしよ、そうしよ」
太一は元気満々に言った。
遼祐は店員の人に「ここのテーブルをくっつけてもいいですか」と訊いてからオレと太一が座っている席とくっつけた。
席をくっつけてから梓はオレの隣に座った。
太一は「なんで隼翔の隣に座るんだよ」と、少しふてくされた様子で梓に言うと、梓は「どこの席に座ってもいいじゃない」と言った。
そして梓のもう片側の隣には城田さんが座った。
オレの向かいの席には太一が座っている。
そして太一の隣に遼祐が座った。
そして遼祐のもう片側の隣には葉山さんが座った。
太一は、さっそく梓に話しかけた。
オレは太一と梓の話を黙って聞いていた。
遼祐は、葉山さんや城田さんと話をしていた。
今、この時点でオレと太一と梓の三人、遼祐と葉山さんと城田さんの三人の二組に分かれて話をしていた。
「梓、どうしてオレと隼翔のことを誘ってくれなかったんだよ」
太一は、すねた感じで梓にそう言った。
「そんなの、こっちにだっていろいろあるんだから」
「なんだよ、いろいろって」
「いいじゃない、別に」
「なぁ、梓たちは、今までどこに行ってたんだよ」