僕が愛しているのは義弟



「よし‼ じゃあ、そうしよ、そうしよ」


 太一は元気満々に言った。


 遼祐は店員の人に「ここのテーブルをくっつけてもいいですか」と訊いてからオレと太一が座っている席とくっつけた。

 席をくっつけてから梓はオレの隣に座った。

 太一は「なんで隼翔の隣に座るんだよ」と、少しふてくされた様子で梓に言うと、梓は「どこの席に座ってもいいじゃない」と言った。

 そして梓のもう片側の隣には城田さんが座った。

 オレの向かいの席には太一が座っている。

 そして太一の隣に遼祐が座った。

 そして遼祐のもう片側の隣には葉山さんが座った。


 太一は、さっそく梓に話しかけた。

 オレは太一と梓の話を黙って聞いていた。

 遼祐は、葉山さんや城田さんと話をしていた。

 今、この時点でオレと太一と梓の三人、遼祐と葉山さんと城田さんの三人の二組に分かれて話をしていた。


「梓、どうしてオレと隼翔のことを誘ってくれなかったんだよ」


 太一は、すねた感じで梓にそう言った。


「そんなの、こっちにだっていろいろあるんだから」


「なんだよ、いろいろって」


「いいじゃない、別に」


「なぁ、梓たちは、今までどこに行ってたんだよ」


< 314 / 354 >

この作品をシェア

pagetop