僕が愛しているのは義弟
梓は少し気にしながらも、オレが言ったことを少しほっとしたように聞いていた。
一方、太一は、おとなしく黙ってケーキを食べ続けていた。
オレは太一に内緒で梓に言おうと思ったことがあった。
でもオレの向かいの席には太一が座っている。
太一が目の前にいるのに梓に直接言うことは難しい。
梓はオレの隣に座っているけど、オレは梓にメールを送ることにした。
そしてオレは梓にメールを送信した。
スマホが鳴ったことに気付いた梓はオレのメッセージを読んだ。
梓から【わかった。太一に言ってみる】と返信がきた。
梓から返信がきてもオレのスマホの受信音は消しておいたから太一には気付かれていないだろう。
もしオレのスマホまで受信音が鳴ったら、梓のスマホの受信音とオレのスマホの受信音が交代で鳴って太一に何をしているのかを気付かれる恐れがある。
それを避けるためにオレのスマホの受信音は予め消しておいた方がいいと思った。
オレが梓に送ったメッセージのことを梓が実行してうまくいくかどうかは、わからない。
だけどオレは、梓と太一が気まずいまま今日を終えるのはあまり良くないと思った。