僕が愛しているのは義弟
梓は一度オレの方を見た。
オレも梓の方を見て『大丈夫』と心の中で梓に伝えるようにうなずいた。
そして梓は、
「……ねぇ、太一。さっきは超ウルトラなんとかロックは聴かなくていいって言ったけど、やっぱり今度みんなでカラオケボックスに行ったときに聴かせてよ。その超ウルトラなんとかロックを」
「…………」
「……太一?」
「……本当か? 本当に聴いてくれるのか。オレの超ウルトラスーパースペシャルロックを」
「……うん、今度ぜひ聴かせて」
「おう‼ 梓のためにオレ、心を込めて歌うぜ‼」
太一は水を得た魚のように元気になった。
梓から【ありがとう。隼翔のおかげで助かった】とメッセージがきた。
オレは梓に【よかったな】と返信した。
それからも梓と太一は話し続けていた。