僕が愛しているのは義弟



 * * *


 帰り道、葵と二人。


 会話が無い。
 なぜか気まずい。



「……隼翔兄」


 葵、やっと話しかけてくれた‼


「うん? 何?」


「……やっぱり何でもない」


「……そうか」


 あぁ、会話終了。

 再び気まずい。


 葵?
 様子、おかしくないか?
 四人でカフェに行ったときから。



 耐えられない、この空気。


「……葵……
 ひよりちゃん、かわいい子だな」


 って‼ 何を言っているんだ‼

 この空気が耐えられないからといって‼


「…………」


 葵~っ‼

 無言はやめてくれ~っ‼


「……葵……?」


「……え?
 あぁ、えっと……
 隼翔兄は橘みたいな子がタイプなの?」


 なぜそうなるっ⁉


「いや、
 そういうつもりで言ったわけでは……」


「そう」


 結局、それからも葵とは会話がなく。 
 気まずいままになってしまった。


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