僕が愛しているのは義弟

「あ……いや……」


　オレは遼祐を追いかけて声をかけたものの、一体何を話せばいいのか、頭の中が真っ白になった。


「……隼翔？」


　遼祐は少し不思議そうな顔をしていた。


　オレはまだ頭の中が真っ白で、なかなか言葉にすることができなかった。

　でも、このままでは何も進まない。オレは勇気を振り絞って遼祐に話し始めた。


「……あ……あのさ……違ってたらごめん。……遼祐……ひょっとして……葵に気を遣って……オレと一緒に……帰らない……ようにするために……『用がある』……って……言ったのかな……って」


「えっ……？」


「だとしたら……オレ……嫌だよ……。遼祐と話すことができなくなるなんて。もし……遼祐と友達でいられなくなったら……オレは……辛い。オレは、ずっと遼祐と友達でいたい。ずっとずっと友達でいたいんだ」


「……隼翔……」


「……オレ……ずるいかもしれない……。遼祐の気持ちに……応えることが……できなかったのに……遼祐とずっと友達でいたいなんて……オレは……本当にずるい……」


　本当にごめん、遼祐……。