僕が愛しているのは義弟
「そんなことないよ、隼翔。オレ、嬉しいよ。隼翔に『ずっと友達でいたい』と言ってもらえて。……本当は、ちょっと不安だったんだ。オレが隼翔に気持ちを伝えてから、隼翔はオレのことをどう思っているんだろうって。もう隼翔はオレのことを友達としても無理だと思っているかもしれない。そう思うとオレは隼翔を目の前にすると、まともに話すことができなくなりそうで……だからオレは隼翔と話す勇気がなかった。でも決して隼翔のことを避けていたとかそういうことではないんだ」
「……遼祐……」
「今もこっちの道に来たのは葵くんに気を遣ってとか隼翔のことを避けてとかそういうことではないんだ。ほら、オレのスマホに母さんからメッセージが入ってきたんだ。【買い忘れたものがあるから買ってきて】って」
遼祐はそう言うと、オレにスマホの画面を見せた。
「いいよ、わざわざ見せなくて。遼祐のことを疑ってるわけじゃないから」
「隼翔……」
遼祐は少しほっとした様子だった。
「……でも、本当に大丈夫? 理由はどうあれオレと隼翔が一緒にいるところをもし葵くんが見かけたら……」
「遼祐、やっぱり葵に気を遣って……」