僕が愛しているのは義弟
オレは遼祐にとても感謝をしている。
『ありがとう』を何回言っても足りないくらい。
「こちらこそ本当にありがとう、隼翔」
「遼祐……」
「……隼翔」
「うん?」
「改めてこれからもよろしく」
遼祐……。
「ああ、こちらこそ改めてよろしくな、遼祐」
「隼翔」
「遼祐」
オレと遼祐はお互いの名前を呼び合い、そして顔を見合わせて笑顔になった。
「あっ、そうだ、引き止めて悪かったな、遼祐」
「大丈夫。気にしないで、隼翔」
遼祐は爽やかな笑顔でそう言った。
オレは引き止めついでに遼祐にもう一つ言おうと思ったことがあった。
「あっ、あと、引き止めついでにもう一つ。よかったら、今度、太一と一緒に遊びに行かないか」
「ああ、行こう。その日を楽しみにしてるよ」
遼祐はそう返答してくれた。
「ありがとう、遼祐。あっ、買い物、遅れちゃうな」
「大丈夫。でも、そろそろ行こうかな」
「ああ」
「じゃあ、また学校で」
「ああ、また学校で」
オレと遼祐はそう言うと、遼祐は買い物をしにスーパーへ、オレは家に帰るためにそれぞれ歩き出した。