僕が愛しているのは義弟
そして家に着いた。
家に着いて、さっそくオレは葵の部屋に行った。
オレは今日のことを葵に話した。
オレの話を聞いて葵は「正直に言ってくれてありがとう、隼翔」と、笑顔でそう言ってオレにぎゅっと抱きついた。
オレもぎゅっと葵のことを抱きしめた。
「ねぇ、隼翔。オレも遼祐さんには悪いことをしたと思ってる。……でも……隼翔のことは誰にも譲れない」
「オレも遼祐には悪いことをしたと思ってる。……でも……オレも……葵と離れたくないし、誰にも渡したくない。オレは葵とずっと一緒にいたい」
「オレもだよ、隼翔」
「人を想うということは、誰かを傷つけたり誰かに傷つけられたりするんだよな。だからといって誰かが悪いわけではない。みんなそれぞれ誰かが誰かを想っているだけなんだ。だから遼祐が悪くないのはもちろんのこと、きっと葵もオレも悪いわけではないのだと思う」
「……隼翔……」
「でも葵が遼祐のことを気遣っている気持ちはとても大切なことだから、その気持ちはずっと持ち続けていいと思う」