僕が愛しているのは義弟
「どうしたの? 隼翔。改めて……『会いたかった』……なんて。オレは隼翔にそう言ってもらえてすごく嬉しいけど」
葵はそう言った後、もっと深く潜り込むようにオレに抱きついた。
オレと葵の間にとても穏やかな時間が流れていた。
「ねぇ、隼翔。今日、楽しかった?」
葵の訊き方がものすごくかわいかった。
『葵は本当にかわいいな』と、オレはそう思いながら葵のことを抱きしめ続けていた。
「……隼翔?」
……あっ、オレ、葵のことがあまりにもかわいすぎると思っていて、そのことに夢中でうっかり返事をすることを忘れていた。
「ああ、楽しかったよ。それでさ、太一や遼祐とまた三人で遊びに行きたいなって話してさ」
「そうなんだ。楽しかったならよかった」
「……なぁ、葵。今度また二人でどこかに行かないか」
「うん、行きたい。嬉しい、隼翔」
「どこに行くかは、また二人でゆっくり決めような」
「うん。隼翔と一緒に行き先を決めるのも出かけるのもすごく楽しみ」
「ああ、オレも」
オレは葵のとてもかわいらしい様子がたまらなくてもっとぎゅっと抱きしめた。