僕が愛しているのは義弟
まずは梓。
梓は『これからも友達として』と言ってくれたけど、現実、しばらくは顔を合わせづらい。
だけど明日は卒業式だけだし、卒業後の進路はお互い別々だから、これからは顔を合わせる機会はかなり減る。
だからその間に気まずさもだんだん薄れていくとは思う。
……と思いたい。
次は太一。
太一は梓にフラれ、その理由が……まさかのオレ……なんて……なんという気まずい……。
そのことを一生、太一にバレてはいけない、そう思った。
別に悪いことをしているわけではないから、もしバレたとしても気にする必要はないのかもしれないけど、やはりそういう問題ではない。
太一とは、これからもずっと友達でいたい。
そして、この関係を守り続けたい。
太一との友情を守り続けるためには梓に告白されたという秘密を守り続けなくてはいけない。
……秘密……?
と言うのはちょっとニュアンスが違うのか……?
ただ言えることは、梓も太一もオレにとって大切な友達ということ。
それは決して変わることのない。
だからオレはこれからも友達として梓と太一が幸せになることを願い続ける。
オレには、それくらいのことしかできないから……。
「隼翔‼」
……⁉