僕が愛しているのは義弟



 休み明けの月曜日。



 学校に着いたオレを待っていたのは……。


「は~や~と~、お前なにダブルデートしてるんだよ~」


 はぁ⁉ ダブルデート⁉


「何言ってるんだよ、太一。ダブルデートなんかしてねーよ」


「じゃあ、あれは一体何だったんだよ。お前と梓と葵と女の子の四人で一緒にいたじゃないか」


 ……? ……ああ、一昨日のことか……。


「お前、近くにいたのか?」


「ああ。部活の仲間と一緒にいてな。そのときに偶然見かけたんだよ、お前たち四人を」


 えっ⁉ 部活の仲間⁉ じゃあ、何人かに見られたということか⁉ いや、別に見られてもいいけど。

 ただ、あんまり何人かに見られると、ありもしない噂が流れるかもしれないという面倒なことが起こる恐れがある。


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