僕が愛しているのは義弟(おとうと)
……う~ん、なんだ? これも植物か?
『かぜ』『しん』『こ』……。
これが組み合わさると、どう読むんだ?
……もうお手上げだ。教えてくれ、葵。
オレは【お手上げ】と送った。
すると、すぐに葵から返信がきた。
【ヒヤシンス】
……ヒヤシンス。……そうか。
オレは葵とメールではなく直接話そうと部屋を出た。
すると葵も同時に部屋を出ていた。
「葵……」
オレは葵の顔を見た。葵もオレの顔を見ていた。
「隼翔兄」
葵は、いつも通りのやさしい笑顔を見せた。
「一緒にテレビを観よ」
オレは葵のその言葉が嬉しかった。
「ああ、観よう」
そしてオレと葵はテレビを観にリビングへ向かった。
そうしてドタバタではあったけど、最終的には穏やかに今日という日が過ぎていった。