僕が愛しているのは義弟
一学期の期末テストの時期がきた。
今日の分のテストは終わって、オレと太一は一緒に下校していた。
「隼翔~、どうだった? テスト」
太一はオレにそう訊いた。
「どう……って……どうなんだ」
オレは、はっきりしない返答をした。
「なんだよそれ~」
太一はオレのはっきりしない返答にもの足りない様子だった。
「そういうお前はどうだったんだよ」
オレは太一に訊き返した。
「う~ん、あまり自信がない」
太一は落ち込んでいた。
「もう過ぎたことは、くよくよするな。期末テストが終わったら、あっという間に夏休みに入るだろ」
オレは夏休みの話に切り替えた。
「そうなんだよ‼ オレは、それが楽しみなんだよ‼」
夏休みの話をしたら、太一は水を得た魚のように元気になった。
「夏休み中は祭りとかあるだろ。オレは、それも楽しみなんだ」