僕が愛しているのは義弟
オレは嬉しい感情を百パーセント表に出すことが照れくさいから、なかなか表情に出せないし言葉で言うこともできない。
でも、葵に少しでも自分の気持ちを伝えたくて精一杯、伝えようとしたのだけど……。
「これでも嬉しいという気持ちを出してるつもりだけど……」
自分の気持ちを伝えるのは難しい……。
「……なんか、もの足りない」
葵は満足してくれない。
「……えー……。そんなにもの足りないか」
「うん」
葵は即答だった。
本当に難しい。自分の気持ちを伝えるのって……。
「もう勘弁してくれ、葵」
オレは、お手上げ状態だった。
「……わかった。じゃあ、明日、アイスクリームおごって」
「なんでそうなる⁉」
そして夏休み初日。
オレと葵は約束通りショッピングモールに来ていた。場所は少し遠いところ。
そこは、ゆったりとした空間で、オレと葵はそこをゆっくりと歩いている。
すると、葵の足元にビー玉が転がってきた。
「あっ……」
葵がビー玉に気付く。
そして葵はそのビー玉を拾った。
「これ……」
葵がそのビー玉を見て何かを感じ取った。そして表情が変わった。