僕が愛しているのは義弟



 ……って……あっ‼

 今の葵の『母さん』の声が、あのビー玉の女の子に聞こえているのでは……と、オレは慌てて女の子の方を見た。

 すると女の子は葵の母さん(?)が連れていた八歳くらいの男の子と一緒に遊んでいた。

 葵の母さん(?)は、女の子と男の子に、


「充希、優真、少しの間そこの椅子に座っていてね。お母さんは、ちょっとこのおにいちゃんにお話したいことがあるから」


 ……話?

 オレは葵の母さん(?)の方を見た。

 すると葵の母さん(?)は葵の方を見つめ……。


「……ちょっとだけいい?」


 オレは、葵と葵の母さん(?)に悪いと思い、その場を離れようとした。

 そのとき葵がオレの服をぎゅっと掴んだ。


「……隼翔兄も一緒にいて」


 ……葵……。


「……でも……」


 オレは本当にその場にいてもいいのか迷った。


 迷ったオレは葵の母さん(?)の方を見た。すると……。


「あの……もしかして……智喜さんと再婚された方の息子さん……ですか?」


 ……えっ……? ……オレのことを知っている……?


「はい。隼翔といいます。……あの……僕のことを知ってるんですか?」


「一度だけ遠くから、お顔だけですけど……」


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