僕が愛しているのは義弟



「私がまだあなたのお父さんと結婚しているときに……あなたのお父さんも知っている人なんだけど、その人と再会したの。……その人とは……あなたのお父さんと結婚する前に…………恋人……だった……人……なの…………」


 ……‼

 それって、オレの父さんと同じ状況だ……。


「……それで……なんか、その人……いろいろ悩んでいたみたいで……それでいろいろ相談に乗っているうちに………………私も……なにか……彼にしてあげられることはないかと……思い……始めて……それで…………」


 ……葵……大丈夫か……。

 オレは葵の方を見た。

 葵は顔色一つ変えていなかった。


「……ごめんなさい…………こんなこと……本当はあなたに言ってはいけないのかもしれないけど………………それに、まだ中学生のあなたにこんなこと……ごめんなさい…………」


 葵の母さんは下を向いてしまって、その様子は少し震えていた。


「……もう……だよ。もう中学生だから大丈夫」

 葵の包み込むような声に葵の母さんは涙を浮かべていた。


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