メーティスの真実
「あなたが前、こんな服が好きって言ったから……」

少し苦手なおしゃれも玲奈は勉強するようになった。宗一の好みの女性らしいワンピースを着た時、照れ臭かったが宗一が「よく似合ってるよ」と笑ってくれたことが嬉しかった。

そして大学を卒業した後、遺産を使って研究所を建てた。玲奈と宗一、美咲と楽しく暮らしていた。

「いつか、家族になれたらいいな……」

そんなことを玲奈が考えていた矢先、宗一は謎の死を遂げたのだ。悲しみと喪失感だけが玲奈の胸に残っている。

「……真実を必ず突き止めるから！」

玲奈は涙を拭い、ある場所へ電話をかけ始めた。



感染症研究センターに見学に行って三日後。透はベッドの上で寝返りを打っていた。

いつも通り仕事を終え、十一時すぎにベッドに入ったのだがなぜか眠れない。何度目かわからない寝返りを打つ。すでに夜中の一時になっていた。

「眠れない。何でだ？」

普段ならベッドに入ってすぐに眠れる。透は体をゆっくり起こした。
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