メーティスの真実
「さて、まだまだ案内するところがありますよ〜」
洋一にそう言われ、透と玲奈の言い争いは一旦終わる。玲奈は洋一の隣に立ち、説明を受けながら歩き始めた。
透はそっと胸に手を当てる。玲奈のことを考えるたび感じるこの気持ちが何か、もうとっくに答えは出ているはずだった。しかし、素直になれない。
「お前の好きになった本田宗一ってどんな人だったんだよ……!」
透は小さく呟いたのだが、前を歩く玲奈の肩が一瞬震えた。
洋一に案内され、透たちは感染症研究センターの三階にやって来た。ここには職員の個別の部屋や研究に使う細菌を育てるための部屋があるらしい。
「ここで細菌を育てています。危険な菌もありますので無闇に触らないようにしてください」
洋一が重いドアを開けると、巨大な棚に様々な種類の細菌が育てられていた。玲奈の目が輝く。
「これはサルモネラ菌ね。こっちはカンピロバクター。こっちにはボツリヌス菌があるわ!」
洋一にそう言われ、透と玲奈の言い争いは一旦終わる。玲奈は洋一の隣に立ち、説明を受けながら歩き始めた。
透はそっと胸に手を当てる。玲奈のことを考えるたび感じるこの気持ちが何か、もうとっくに答えは出ているはずだった。しかし、素直になれない。
「お前の好きになった本田宗一ってどんな人だったんだよ……!」
透は小さく呟いたのだが、前を歩く玲奈の肩が一瞬震えた。
洋一に案内され、透たちは感染症研究センターの三階にやって来た。ここには職員の個別の部屋や研究に使う細菌を育てるための部屋があるらしい。
「ここで細菌を育てています。危険な菌もありますので無闇に触らないようにしてください」
洋一が重いドアを開けると、巨大な棚に様々な種類の細菌が育てられていた。玲奈の目が輝く。
「これはサルモネラ菌ね。こっちはカンピロバクター。こっちにはボツリヌス菌があるわ!」