Ti Amo



ガラガラ...



そんなことを一人、
ベッドの上で考えていると

病室の扉が開く音がした。



入ってきた人物が
誰なのか、という予想はつく。


そしてそれは、完璧に当たる。





「あら、結愛ちゃん。

起きたの?おはよう」




「ママ…
おはようございます。」



そう、入ってきたのは

あたしの実の母親、奈緒子。



娘のあたしが
言うのもなんだが、

その容姿は40代前半という
年齢を感じさせない。


いかにも高級ブランドで
買った、という服やアクセサリー。


身につけている物は、
派手というわけではなく

清楚で、「 お嬢様育ちです 」と
言っている様な感じだ。





「昨夜はよく眠れた?

 お父様に頼んで、
最上級の特別室を

用意していただいたのよ。

素敵なお部屋でしょう?」



「ええ、とっても
快適な夜を過ごせたわ。

パパにも
お礼を言わなくちゃね。」




"快適に過ごせた?"


笑わせないで、

 そんな筈ないでしょう。



いつ、命にかかわる
発作が起こるか

分からない状況なのよ?



あんたそれでも元看護士?


 もう訳が分からない。





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