Ti Amo





あたしの運命なんて


もう決まっているの。






両親は、


"二十歳まで生きられない"ってことを

娘のあたしは
知らないと思ってる。



愚かね…。












「・・・・・」




病室には、

微妙な空気が流れている。



母親はあたしが

"病状が悪化しているのね"と
言ってから沈黙している。



図星…か。


本当に分かりやすい。




でも黙ったりしないで。




何か言ってよ、


でなきゃあたしが惨めじゃない…。









コンコン...



なんとかして
沈黙を破ろう、と


思ったその時…

病室のドアをノックする音が
耳に入った。








「私だ、入るぞ」





最近聞いていなかった
父親の声だ。







「…は、はい、どうぞ」




ハッとしたように
母親が答える。





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