ダンデライオン 〜美奈子
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軽井沢は夏が短い。
何となく 人が少なくなったと思っていると、あっと言う間に 冬が訪れる。
街が色付き、秋の観光シーズンが 間もなく終わる。
そんな金曜日の夜、美奈子は 春菜と食事をしていた。
「お姉さんの別荘、いつ頃出来上がるの。」
廣澤家の別荘を 建替えていることを、美奈子は 春菜に話していた。
「年内には 完成するみたい。すごい別荘。お姉ちゃんの別荘じゃないけどね。」
美奈子は 笑って答える。
「同じだよ。親の物なんだから。」
春菜も笑った後で、
「でも、本当に凄いよね。お金って、ある所にはあるんだね。」と続けた。
「うん。人の子のオムツ取り替えて、安いお給料で 働いているの、馬鹿みたいだよね。」
美奈子が言うと、春菜は顔をしかめ
「美奈子先生、汚い。」と笑った。