未明の三日月
彩美は美人だから 特別扱いされてしまう。
美咲の成績が良くて 特別扱いされるように。
どちらも良い事なのに。
良い事を引け目に感じてしまう。
特に多感な年頃は。
そして、そのまま大人になった人達が 同じように 古い考えを引き継いでいく。
だから、いつまで経っても 閉鎖的なまま 悪い風習は続いていく。
美咲は 都会の人と接して 地方で暮らす不自由さを痛感していた。
東京の人はみんな 人目を気にして我慢しない。
自分の考えをちゃんと持っていて ぶれない。
自由な強さに 美咲は引き込まれていった。