未明の三日月
地下鉄に乗って 美咲の部屋に向かう。
駅を降りて 二人でスーパーに入る。
「お鍋でもしようか、ゆっくり。」
そう言って食材を選んでいると、聡は ニコニコして、
「新婚夫婦みたいだね。」と言った。
1LDKのアパートは、狭いけれど 使い勝手よく整頓してある。
部屋に入った聡は、
「へえ。ここが美咲の部屋か。」
と珍しそうに 中を見回した。
美咲は手早く準備をして、向かい合って食事を始める。
アパートは妙に寛いで、外で会う時と 違う雰囲気が 二人を包む。